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相手は変えられない ならば自分が変わればいい – パートナーに期待するな

心理学

読んだきっかけ

メンタリストDaiGoさんが紹介して知ったのがキッカケ。なんとなくタイトルに惹かれて読んでみた。

ざっくり要約

  • パートナー関係の喜びと痛みは常にセット
  • 常にパートナーから欲しいものは得られない
  • 完璧なパートナーは存在しない
  • パートナーとの込み入った問題の簡単な解決法は存在しない
  • 相手はコントロールできない。自分の行動のみコントロールできる
  • パートナーとの対立は不可避
  • 建設的なケンカの方法、仲直り、思いやる習慣を練習しておくべき
  • 愛の感情はいずれ消える。しかし愛を示す行動はいつでも取れる

感想

心理療法のACTって聞いたことはあるけど、こういう考え方なんだというのが第一印象。

まんまマインドフルネスを使った心理療法。本書によればACTというのはマインドフルネスの考え方を応用した心理療法。ネガティブな感情に抵抗せず受けいれるのが特徴。よくあるセラピーやストレス発散法は、ポジティブなことに気を逸らしているだけ。一方のACTは画期的な手法として広まったとのこと。

本書はACTという心理療法を恋人や夫婦などのパートナーとの関係に活かす実践本。パートナーと仲直りしたい、より良くしたい、と考えてる人に向けて書かれている。パートナーとケンカした時、お互いの考え方に違いが出た時、裏切られた時などなど、シチュエーションごとにACTの実践方法が解説されている。

しかしACT応用編って感じの本なので「ACTとはなんぞや?」という入門編から読むべきだったなーと反省。

有効性

ACTで最も重視することの1つが「有効性」という考え方。

例えば、何かにイライラして衝動買いしそうになったとしよう。その時、ACTでは「その行動は本当に自分にとって長期的に効果のあることか?」と考える。答えがYESなら有効性があるとして行動を起こす。NOなら有効性が無いとして行動に起こさない。

パートナーとの関係に当てはめてみると・・・

例えば、パートナーと口論になったとする。心の内でこのケンカになんとしても勝ちたいという闘争心が少なからず持ち上がってくる。ここでACTを実践すると「その行動はパートナーとの長期的な関係に貢献するか?」と問う。

「自分が正しいと勝ち誇りたいのか、目の前の相手との関係をより良くしたいのか、自分が大事にしているのはどっちだ?」と自分が取ろうとしている行動の有効性を考える。

でもACTは気晴らしやポジティブ・シンキングを否定しているわけではない。「その対処法は本当に効果があるか?」と問いかけるだけ。

モヤモヤやネガティブ感情が根本的に解決するならOK。その場しのぎにしかならないなら却下。ただ「有効性」という軸のみでシンプルに考える。

目の前の衝動や行動に囚われることはしばしばあるので、この考え方は刺さるなーと感じた。長期的に意味あることなのかと自分の行動を客観視したいところ。

行動がすべて

有効性と同じくらい重要視しているのが「自分の行動」だ。ACTでは自分の感情・思考はコントロールできない。自分の意思でコントロールできるのは自分の行動だけ考える。

なので嫌な気持ちを感じた時、感情と戦わず、やり過ごし、その湧き出た感情に対していかに反応するかに重きを置く。そのためには自分の感情を客観的に捉えて距離を置けるよう、マインドフルの話が中心に来る。

さらに本書のパートナーとの関係になると、相手の行動・感情・思考もコントロールできないと考える。こう書くと至極当たり前に見える。

しかし日常生活、特に親密な関係になるとそうもいかない。人は相手に多くを望んでしまいがちなもの。そんな人間の性を改めて捉えているのも印象に残る。

相手のことは自分の影響範囲外なのだ。だったらいっそ自分が変わるなり、気持ちに折り合いをつけるなり、距離を置くなりすればいいじゃないか。

パートナーとの関係をより良くするために、相手に何かを求めるのではなく、自分の感情と向き合い折り合いをつけることに努力しなさい。だって相手は変わらないだから。コントロールできるのは自分の行動だけだ、と著者は言う。なんだかここまでくると悟りを開く気分

もちろん相手にヒドいことをされても黙っているということではない。嫌ならただ離れればいいだけ。ヒドいことをされても一緒に居たいなら居ればいい。

すべては自分の価値観と選択しだい。自分にとって大事な価値観に沿って行動を取る。ここでも「有効性」の考え方が重要になってくる。

パートナーの話だけじゃなくても「相手は変わらない」という考え方は人間関係全般で大事だなーと感じた。このアイディアを実践できるほど人生が楽になる気がする

僕は元々「相手が抱く僕自身のイメージ」はコントロールできないと考えてる。つまり、どう思われても相手の勝手だと思ってる。なので本書のような相手をコントロールしないアイディアには終始納得だった。

パートナーの人間関係で悩んでる人はひとつ読んでみてはいかがでしょう、というところで。

あと、マインドフルネス関係の本を過去に紹介してるので興味があったら読んでみてほしい。

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