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自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる – 真の自信を育てる

心理学

読んだきっかけ

ラス・ハリス氏の新刊が出たということで購入。「自信」という身近なテーマをにも惹かれて読んでみた。

ざっくり要約

  • まずは行動。自信の感情は後から出てくる
  • ネガティブ思考はごく自然なこと。とらわれないことが大事
  • 自尊心よりも自己受容が大事。ダメな自分も認めよう
  • 自分の価値観を定めよう
  • 自分の価値観に沿って生きることが真の成功
  • 結果と目標だけにとらわれるな。価値観に沿ったプロセスを大事にする
  • 失敗の経験はもちろん苦しい。しかし失敗から積極的に学び成長できる
  • 最高のパフォーマンスを発揮するにはマインドフルに取り組むこと

感想

ラス・ハリス氏のACT本3冊目。すっかりファンになった感がある。前作「幸福」「パートナー関係」のテーマに続き、今回は「自信」がテーマ。ACTって何にでも応用できるんだな・・・と思った次第。

過去に『人生は20代で決まる』を読んだ時は「若いうちはなかなか自信が身につかないぞー」と書いてあって世知辛い気持ちになった記憶がある。

というのも、20代は感情をコントロールする前頭前野という脳の部位が未成熟だし、仕事の実績やスキルはこれから伸ばしていく段階だから、という理由だ。

20代って耐え忍ぶしかないのか・・・と思っていたところ。もっと早く本書が刊行されてほしかったなー。

よくある「理想の自分をイメージする」「ポジティブな言葉を自分に投げる」「成功体験を思い出す」「自分を信じる」といったテクニックは使わない。あくまでACTのACTのテクニックを使った「自信の育て方」を伝授していく。

おおまかな方法としてはネガティブな思考から距離を置き、ダメな自分を受け入れ、改善に向けた行動を取る。今まで自己啓発本やビジネス本を読んでみたけど、いまいち自身が持てないっていう人はオススメ。

まずは行動

タイトルにあるように重要となる考え方は「まずは行動する」こと。とりあえず実行してみれば感情は後からついてくるという。

例えば、学校にいくまでは億劫だけど、行ってみたらなんでもない。面倒くさい家事も一度やり始めたら片付けられる。そんな経験はないだろうか。

そんなことが自信についても当てはまると著者は言う。いかにも行動を重視するACTっぽい。

しかし残念ながら自信はすぐに身につかないし、特効薬は無い。厳しいことを言ってくるが、そこで必要になるのが「練習」することだ。

本書は何度も自信を育てるACTのテクニックを練習をすることで本当の自信が手に入ると伝えている。

あなたの毎回の練習が、自分の行動、自分を信頼する行動なのだ。ひとたび行動し、それを繰り返せば、自分の望む結果を得るためのスキルが身につくだろう。そして自信も感じ始める(p.35)

出典:ラス・ハリス『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる』p.35

自信を持ちたいなら練習せよ ― この事実から逃れることはできない。(p.40)

出典:ラス・ハリス『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる』p.40

そもそも僕たちはなぜ自信不足になるのか?主な原因は5つある

  1. 実行した結果に対する期待が大きすぎる(完璧主義または失敗の恐れ)
  2. 自己評価・自己批判が厳しい
  3. 恐怖心にとらわれている
  4. スキル不足
  5. 経験不足

上記のスキル不足・経験不足を解消するためには練習するっきゃない。というわけですな。夢は無いけど現実的な話ではある。他の3つの原因はネガティブな思考・感情から出てくる。これはACTのテクニックで対処という感じ。

恐怖との付き合い方

最後に印象に残ったポイントを取り上げて終わりにしたい。それは「恐怖との付き合い方」について。

著者によれば恐怖を行動を起こす起爆剤として活用するべきだという。恐怖の感情はエネルギーに満ちているので、恐怖から逃げたり抑え込んだりするのは無意味だそうだ。まさしく暴れ馬を調教するように。

そもそも恐怖を感じるというのは「闘争・闘争本能」という人間の本能的な機能のせいだ。古来より人間は敵と対峙した時に、戦って立ち向かうか、走って逃げるかどちらにせよ身体が準備をし始める。その際に発生する心理的なサインが「恐怖」。

僕たちの身体は恐怖を感じると呼吸と心臓の鼓動が早くなり、血流が早くなる。筋肉に十分血が巡りエネルギーが供給され、今にでも動き出せるよう整う。行動するのにうってつけの状態になる

闘争・逃走本能については以前紹介した『脳を鍛えるには運動しかない!』に詳しく解説されている。興味があったら読んでみてほしい。

恐怖の捉え方を変える

「いくら行動しろと言われても恐いものは恐いよ・・・」という人もいるかもしれない。でもこれに対しても対処法がある。

簡単に言うと恐怖のとらえ方を変える。恐怖は克服するべき感情ではなく受け入れる感情であり、危険のアラートであり、次の行動を準備しようという通知であると考える。

というように恐怖をリフレーミングして活かすというのは考えたことがなかったので面白かった。

そもそも人間本来の機能として恐怖を感じない人はいないわけで。初めてのことや慣れないこと、コンフォートゾーンから出ることは誰しも恐怖を感じる。

だったら恐怖を感じないように克服するのではなく、恐怖を感じたまま行動に移せるできるテクニックを学んだ方が効果的だと思った。それにネガティブな感情も悪くないかもなーとも思えてくる。

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