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スタンフォードのストレスを力に変える教科書 – ストレスの秘められた力

心理学

読んだきっかけ

前に『スタンフォードの自分を変える教室』という同じ著者の本を読んだことがあって、それで本書を知ったのがきっかけ。

著者の本は読んでて面白く、こちらも興味をそそられて購入しました。

ざっくり要約

  • ストレスは考え方しだいで役に立つ
  • ストレスの反応はサバイバル、チャレンジ、思いやり、の3種類がある
  • ストレスがまったく無くても寿命が縮む
  • 不安になるのは体が準備してる印
  • 人とのつながりを感じるとストレスに強くなる
  • 挫折の中に学びを見出そう

感想

今回は「ストレスって本当は良い面もあるんですよー」という本。なにやらストレスの捉え方・考え方(マインドセット)によって体のストレス反応が変わるとか。

内容は長いけど、面白い事例やためになるテクニックがギュッと詰まってる本なので楽しく読めました。

新生活を迎える人、新しくチャレンジする人、ストレスフルな毎日を過ごしてる人はぜひ読んでほしいなーと思う本です。

分泌されるホルモンの種類や脳の神経回路のつながり方、メンタルの状態がマインドセット1つでガラリと変わるみたいです。人の体って不思議ですねー。ストレスって体に良くないという思い込みを覆す内容でした。

前半ではストレスに対する思い込みを正す内容で、後半からストレスに強くなるテクニックを「困難に立ち向かう」「人とつながる」「逆境から学ぶ」の3つの観点から解説しています。

ストレスから逃げるほど、ストレスに弱くなる

嫌なこと、面倒なこと、トラウマから逃げ続けると、逆につらくなるそうです。

トラブルにしっかり向き合うことで「自分にも対処できる力があるんだ!」という自信がつくし、自信がつけばトラブルを乗り越えやすくなるというポジティブなループが生まれるという。

「逃げちゃダメだ・・・」と言っていたシンジ君は正しかったみたいですね。

それでも不安な時は

「つらくても立ち向かえ!」と言われてもキツいので、その対応方法も解説してます。

ストレスや不安を感じる時は「体が準備している印だ!」と思うだけで、テストの成績や仕事のパフォーマンスが上がるとか。

これは「チャレンジ反応」というらしく、鼓動が早くなって血流が全身に巡る一方で、メンタルはリラックスした状態になり、集中力が高まるストレス反応です。

同じストレスでもマインドセットを変えるだけで結果が違うのは不思議ですなー

人助けするとストレスに強くなる

人はどうやら社会的なつながりを求める生き物みたいでして、ストレスを感じるとオキシトシンというホルモンが分泌されて、他人と交流したくなるパターンもあるようです。

つらいことがあると家族や恋人、友達などの親しい人たちと会ったり声を聞きたくなるのはこういう理由があるわけなんですね。

裏を返せば人とのつながりを感じていられればストレスに苦しむ度合いが減ったり、立ち直りやすくなると。

  • 社会やコミュニティに貢献する目標を持つ
  • ボランティア
  • 苦しんでるのは自分だけじゃないと考える
  • つらい経験を共有する
  • 他人のつらい経験を聞く

などなど紹介されてます。

逆に引きこもってしまうのはNG。人との交流が断たれると、やる気や自信が下がり、行動に起こさなくなって、余計に引きこもる。他人とつながりを感じられないと更にストレスに弱くなるという負のスパイラルになってしまうので避けたいところ。

逆境でも良いとこ探し

ストレスのメリットを伝えているわけですが、苦労は買ってでもせよと言いたいわけではなく、無駄なストレスは避けたいところ。

とはいえ生きていれば挫折やトラブルはつきものですよね。じゃあ避けられないなら受け入れるしかない。むしろ逆境から学んでいこうではないか!

というようなことを最後の章では書かれています。つらい経験でもそこから得るものを見出せれば、うつ病が改善したりトラウマから回復する効果があるそうな。「転んでもタダじゃ起きないぞ!」という感じですな。

こちらも

  • 苦しみはいつまでも続かないと考える
  • 成長マインドセットを持つ
  • 逆境の中に良いところ見つける

などなど、具体的なテクニックと事例を紹介されてるんで面白かったです。

つらい経験自体が良いわけではない

つらい経験から学びを得て次に活かす、というのは自分で気づかないと効果がないと著者は釘を刺しています。

苦しむことじたいには、よいことなどありません。それに、トラウマ体験がすべて成長につながるとは限りません。苦しみによって成長するときには、成長の糧となるものはあなた自身のなかにひそんでいます—それはあなたの長所や価値観、そして逆境のよい面を見つめようとするあなたの態度です。トラウマじたいは成長の糧にはなりません。

出典:ケリー・マクゴニガル『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』p.322

あくまで「つらい経験と折り合いをつけたい」「悲しい記憶のまま終わらせたくない」という態度が大事なんですなー

たしかに過去や悲しい記憶は消えないし変わらないし、それ自体が「よかったなー」なんて思えません。ましてや他人から「つらい経験から学べばストレスが減りますよ!」なんてアドバイスされても、おせっかいでしかない。むしろ怒らせてしまいますね。

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