読んだきっかけ
以前に紹介した『他人を支配したがる人たち』で本書が取り上げられていたのが知ったきっかけ。
サイコパスとか自分とは違う精神の持ち主にちょっと興味があって読んでみた。
ざっくり要約
- 精神病質チェックリストを作った人が書いた本
- チェックリストの診断項目に沿ってサイコパスの特徴を解説
- サイコパスは倫理観がなく、行動を抑えることができない
- 攻撃性が高く、反社会的行動を取る
- 口はうまいが表面的で、浅い感情を持つ
- 共感能力が欠如していて、良心の呵責を感じない
- 平然と嘘をつく、責任感が無い、人を騙すのがうまい
- 子供のサイコパスも存在する
- 基本的にサイコパスの治療法は無い
感想
サイコパスのパーソナリティ、心理的特徴を網羅的に解説した本。
著者は「精神病質チェックリスト」を作った心理学博士。このチェックリストはサイコパスを見抜くための診断テストで、精神科医の世界では有名らしい。
豊富なサイコパスのカウンセリング経験を持つ著者がたくさんの実例を交えてサイコパスの全体像を描き出す。一方、サイコパスの対処法にはあまり触れていない。
『他人を支配したがる人たち』では「潜在的攻撃性パーソナリティ」通称マニピュレーターの特徴を解説されていた。今回はその親戚であるサイコパスが主役。
彼らは専門的には「略奪的攻撃性パーソナリティ」に分類される。他人から利益をトコトン搾り取り、去った場所には何も残されていない。攻撃性パーソナリティの中で最悪の人たちだ。
過去にサイコパスにまつわる本は数冊読んでいて、彼らの特徴については既に知ってる知識っていうところではあった。
子供のサイコパス
読んでいて印象に残ったのがは子供のサイコパスという章。たしかにサイコパスはある日突然なるものではなく、生まれながらにしてサイコパスだろうなーとは思う。
でも残虐性の高い子供ってどんな感じなんだろ?とイメージしづらかった。実例では6歳の少年が学校で同級生をいじめる話や、小動物に暴力を振る話が出てて、幼さからは想像できない残酷さが伝わってきた。
治療法なし
本書の最後で語られることだけど、サイコパスの治療法は特に無いらしい。むしろ逆効果になるとのこと。一生会いたくない。
サイコパスにまつわる本に関心があれば、マーサ・スタウトの『良心を持たない人たち』もオススメ。
こっちでは「良心とは何か?」という別の切り口からサイコパスについて語っている。


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